2011年10月5日水曜日

4日(火)晴れ ・・・還付


平成二十三年
妙法 清澄院日大信士位
六月二日
俗名 田中大偉
享年十六歳

今日は、朝から天気がよい。
空も、綺麗。

心の中はというとやや不安定な感じ。

電車の中で、ぼ~っとしていると自然に涙が出てきてしまう。

ぐっと堪えるために、唇を噛んだり、舌を噛んだり・・・。

会社に着けば、日々の業務と期初の資料作りに追われた。

pm16:45

携帯電話が鳴った。

メールなら2回鳴ってとまる。

・・・

3回目が鳴った。

表示を見ると、柏警察署。

すぐに出た。

田中さんの携帯でしょうか?

はい。そうです。

柏警察署の○○と申しますが、息子さんの慰留品の件で、検察庁から還付しても良いとの連絡がありましたので、ご都合の良い日に引取りをお願いします。

バイクの引き取りもあるので、バイク屋さんと日程調整してあらためて7日の日にご連絡させていただきますと告げ、電話を切った。

家内にも連絡した。

戻ってくるが、バイクをどうするのか?

現状のまま保管するか、廃車手続きをするのか?はまだ決めていない。

とり合えず、バイク屋に電話して引き取りの依頼をしたいので、打合せをする日取りを決めた。


今、家にある慰留品は・・・

財布とお金。

通帳とキャッシュカード

リップクリーム

バイクのガソリンタンクキー

じいじからもらったキーケース

・・・

棺に入っていた、髪の毛

自宅出棺前に切った、爪


今度還付される慰留品は

バイク

ヘルメット

血だらけの衣類

・・・

事故当日も、衣類は柏警察の一番奥の敷地にブルーシートが敷かれ、上に並べられてあった。
警察の方が何人も見て調べていた。

冷静な気持ちで引き取る事ができるだろうか・・・?


家に帰り、大偉とみるちゃんに「帰ってきました。ありがとうね」と挨拶をしながら、横に置いてあるフォトフレームの写真が切り替わる。

遺影の写真と、おにぎりをおいしそうにニコニコしながら食べている小さい頃の写真。


悲しすぎるよ・・・大偉。

2011年10月4日火曜日

3日(月)曇り ・・・思わず


平成二十三年
妙法 清澄院日大信士位
六月二日
俗名 田中大偉
享年十六歳

今日は、今期の始まりの日。

普段と変わらないが、やはりスタートの日は何かと疲れる・・・。

今期の準備もしなければならないし、先期のやり残しもしなければならないし。

今まで、かけていなかった眼鏡もつけたり、外したりと・・・。



浜松町駅に向かう帰り道、「今日も、大偉は遅いんだよなぁ~」

バイトをしている感覚で思っている・・・

次の瞬間

あっ・・・

いないんだ。



家には、pm10:00くらいに着いたかな?

途中から、SMAPXSMAPをみんなで見ていた。

見ながら・・・

番組の中での話しで、私が色々と話しをひろげ「黄泉がえり」という映画あったよね?

うん。

「大偉もよみがえれ~」

と思わず、叫んでしまった。


大偉。

今度、お坊さんがつけてくれた妙法のお寺に行くから。

大偉が修行しているって言ってたから。

みんなで会いにいくから、待っててね。

みるちゃんにも言っといてね。

じゃぁね。

2011年10月2日日曜日

2日(日)曇り ・・・事故現場


平成二十三年
妙法 清澄院日大信士位
六月二日
俗名 田中大偉
享年十六歳

朝は、普通に起きたんだけど何もする気力がなくお昼を回ってpm2:00を回っていた。

書類を書いたり、色々な事をする予定だったが疲れて疲れて・・・動く事ができなかった。

家内に墓石のデザインを見せた。

もう少し、完成には時間がかかりそうな感じ。

少し早い夕飯を外で済ませ、事故現場に向かった。

今日は、バイクが多い。

ツーリングなどには、一番いい季節なのかな?

大偉も生きていれば、絶対にツーリングに行ってるな~。

来週も3連休だしな・・・。

4回目の月命日に、お花とお線香を手向けた。

いつかわからないが、お友達が来てくれていた。

大偉にお寿司を買って帰り、食べさせた。


朝の情報番組で、福島のフラワーガールのお話しを流していた。

中には、被災されている方もいてそれでも元気付けようと頑張っている姿だった。

家族を失い、家を失い、仕事も失い、何もかも失った。

失っていなかったのは、支えてくれた周りの人達だった。

周りの人達からの心は失っていなかった。

私達も突然、大偉を亡くした。

突然という意味では同じかもしれないが、ひと家族、ひと家族の思いが違う。

大偉を亡くしたが・・・

住む所もある。

仕事もある。

家内も、N葉もいる。

周りからもいっぱい支えてもらっている。

本当にありがたい。

1日(土)曇り ・・・メールと電話

平成二十三年
妙法 清澄院日大信士位
六月二日
俗名 田中大偉
享年十六歳

今週の合気道の稽古から、駒沢オリンピック記念体育館で行われる演武大会の稽古が始まった。

昨年の大会は、大偉も一緒に出場した。

大偉はいないけど、気持ちは大偉と一緒に参加する。

稽古後、J先生とK夫妻と演武について話していた。

Wさんから、今日の田中さんはいつもと違う!と言われた。

そんなに違って見えたのかな?

もしかして・・・先週までは笑顔がなかったのでは?

でも、演武大会となると気持ちがワクワクしてくる。

今年は例年と違い同好会一つの枠だけで、3分の演武となる。

大会は、10月29日(土)。楽しみ。

第55回全日本養神館合気道総合演武大会



夜、立続けに大偉の携帯が鳴った。

電話の着信とメールの着信。

同じ子からだった。

携帯の解約時期がまだなので、そのままにしてある。

ついつい、大偉の事を思い出してしまったのだろうか。

大偉が出るはずもない電話へかけ・・・

大偉から返信がくるはずもないメールをし・・・

切なく、可哀想になってくる。

私達以外にも、苦しい気持ちを抱えてしまった子がいる。

何、やってんだよ大偉は・・・。

こちらから、電話やメールをするわけにもいかず、私もどうしていいのか・・・?

家によんでもと思ったりもするが・・・

余計に悲しい気持ちになったりしないかと思うと何もできない。

ただ、苦しい気持ちを抱えながら大偉の事を思い出してくれる気持ちには感謝している。

その子もいつかきっと乗り越えていくだろう。

私達家族もきっと・・・


2011年10月1日土曜日

30日(金)晴れ ・・・めぐりあい


平成二十三年
妙法 清澄院日大信士位
六月二日
俗名 田中大偉
享年十六歳

今日で、今期が終わる。

会社の業績は、今までにない厳しい期となった。明日から来期が始まるが、更に厳しい期となるだろう。

60歳まで、働くとして後17年。

置かれている立場・状況を受止め進んで行くしかないと思う。

・・・が、

生活面ではどうだろうか?

ちゃんと進めているのだろうか?

みるちゃんが亡くなり、大偉が亡くなり・・・。

夕方から、今期の打上げがあったが「乾杯」「拍手」が思い切りできない自分がいる。

その後の、出向される方の壮行会の催しの飲みがあったが欠席した。

まだまだ、そんな気になれない。

いつまでも、そんな事ではと思ってはいるが・・・。

来期は二期ぶりの責任者となった。益々大変になる。

来期組織の変更のため、席移動を行っている中保険のおばちゃんが来た。

幸い私は席移動がないのでよかった。

保険の見直し時期が来ているので、その説明があった。

大偉にはあった事はないが、よく知っているおばちゃん。

最後に、相田みつを美術館のご招待券をもらった。

チケットには・・・



めぐりあい

あなたにめぐり
あえてほんとうに
よかった
ひとりでもいい
こころから
そういってくれる
ひとがあれば

みつを


がチケットの表紙に印刷されていた。

大偉は、よかったと思っているのかな?
厳しかったし、うるさかったし、決して良い父親ではなかった。
もう少し、理解してあげられていたら・・・。
大偉に対して本当に申し訳ない気持ちでいっぱい・・・誤りたい。

ごめんね。大偉。

親離れ、子離れ。

肉体的な、親離れ子離れがこんな結果で突然くるなんて。

ずっ~と一緒に歩んでいくはずだったのに。


合気道をはじめた年に、海老さんから相田みつをさんの「育てたように子は育つ」の本をいただき、今日また、相田みつを美術館会館15周年記念特別企画展の「めぐりあい」のチケットをいただいた。

何か意味があったんだ。海老さんからいただいた時。

何か意味があるんだ。今日もらったチケット。

今年の3月にも、また読みたくなって手元に置いたが読まなかった。

相田みつを美術館も、いつか行こういつか行こうと思っていたが行かずにいた。

すべて、何か理由をつけ後回しにしてきた自分がいる。

これからは、少しずつでも直していこうと思う。

まだまだ、

電車の中

帰り道

部屋

お風呂

・・・

大偉を思い出し

泣けてくる。