平成二十三年
妙法 清澄院日大信士位
六月二日
俗名 田中大偉
享年十六歳
国立準決勝第一試合・・・
富山第一×四日市中央工
部員100名を超える四中工。
ついこの間まで、三軍だった背番号25
ようやくこの選手権でレギュラーを勝ち取り、しっかりDFをしている。
ところが・・・
相手チームとヘディングを競り合った際、相手の後頭部が頬を直撃して倒れた。
なかなか起きあがってこれない。
せっかくつかんだレギュラーだったのに・・・
色々な思いをピッチの上で感じたんだろう。
気力で起きあがり、ふたたびピッチを駆け巡るが
痛みには勝てず、途中交代となってしまった。
ベンチに戻ってくる彼は、泣きじゃくっていた。
治療をして、終始冷やしたタオルをあてながら、
何を感じていたんだろう。
三軍の星をいう横断幕が映る。
愚痴を言わず厳しい四中工の中で毎日練習を積んできたんだろう。
なんて、神様は最後に掴み取った晴れ舞台で試練を与えるのだろうか?
これから先の人生もそうなんだけど
今、この瞬間
この一瞬を三年間の集大成として思いっきり走り回らせてあげた後でも
いいじゃないかと思う。
すべての試合を見たわけではないが、ひたむきにボールを追いかけていた
「25」は、また一回り大きくなって戻ってくると思う。
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