平成二十三年
妙法 清澄院日大信士位
六月二日
俗名 田中大偉
享年十六歳
残りの写真を撮るために松戸区検庁に向かった。
前回撮った最後の記録を探しながら、ところどころ読んでいた。
普通のバイクの写真や、検証している写真ならまだ見る事ができる。
ただ・・・
ただ・・・
大偉のヘルメットや、長靴・・・
長靴は道路脇の雨水が流れる側溝に片方が置いてあった。
その脇を流れる
「赤い色」
大偉から止めどなく流れ出た「赤い色」の・・・血
たった今まで体の中で流れていた、生きるために通っていた血。
誰もどうする事ができなかった。
ただただ、救急車を待つだけだった。
11:00am すべてを撮影し担当記録官の挨拶し庁舎を後にした。
これからしっかりと確定記録を読んで戦う準備に入る。
この事故の確定記録は・・・
写真が677枚
記録が746枚
裁判所に提出した記録はもっとあるのかな?
裁判所に提出しなかった写真、記録を含めるともっとある。
今、手元にある677枚の写真と746枚の記録はほんのごく一部にすぎない。
記録官が確定記録に目を通し、個人情報に関する箇所はマスキング
されている。
こんな事が、私たちに降りかかってきたなんて信じがたい。
横にいる大偉が旅に出たなんてほんとに信じがたい。
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