平成二十三年
妙法 清澄院日大信士位
六月二日
俗名 田中大偉
享年十六歳
朝、7:00の目覚ましが鳴った。
次は、7:30だなと思いながら布団の中で目をつぶっていた。
大偉の卒業式や成人式を思う浮かべながら・・・涙が溢れてきた。
稽古に向かう車の中、野田の商店街で信号待ちをしていた。
一台の原付バイクが横を通り過ぎた時、
コン、コン・・・カラン、コン、コン、コン・・・と乾いた音がした。
右後方を振り向くと、原付バイクが停まった。
その後ろをヘルメットが後を追いかけるように転がっていた。
ヘルメットも大偉がかぶっていたようなものだった。
その後ろに大偉が・・・・
まるで、あの当時と同じ光景だった。
調書や、担当警察官の話から想像がつく。
滑走したバイクの場所・・・
投げ出されたヘルメットの場所・・・
言い表せない、何とも不思議な一瞬の時だった。
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