2011年10月15日土曜日

14日(金)晴れ ・・・いないって


平成二十三年
妙法 清澄院日大信士位
六月二日
俗名 田中大偉
享年十六歳


大偉とみるちゃんにお水をお線香をあげて手を合わせた。

涙がでてきた。

人は必ず亡くなる。

寿命で亡くなるとばかり思っている。事故、病気でも亡くなるがあまりその事は考えた事はない。

年を重ね亡くなっていくのならまだ受止める事ができる・・・。

でも自分の家族は例外だと思う。亡くなる理由が何であろうと、年齢がいくつであろうとも、こればかりは受入れる事ができない。

大偉を16歳で亡くした辛さ。考えられない。

遺影を見ながら・・・。

逆に、小さい頃に自分の親を亡くすなんて考えてた事もないし、考えられず、受入れる事ができないんじゃないかな?と思う。

普通に生活をしていれば考えもしない事だもんね。


知り合いの人を思い出した。

物心もしっかりついて、お父さんも可愛がっていたんだろうなぁ~。

子供も・・・「パパぁ~」ってかな?「お父さん」って呼んでいたかわからないが辛かったろうな。

これからの生活の不安もあったろう。

でも、子供を路頭に迷わせるわけにもいかず一生懸命育ててきたと思う。

お父さんも、子供の成長を側で見ていたかったろう・・・

子供もいつもお父さんに近くにいてほしかったろう・・・

お互いに何かあるたびに思い出していたに違いない。

小学生なって黄色い帽子に大きなランドセル・・・。

遠足、運動会、・・・・卒業式

不安でいっぱいの中学生・・・

色々と話しを聞いてもらったり、してもらったかったろう。

その子は今、自分の夢に向かって頑張って勉強をしている。

自分の夢をつかむために、そのレールを歩みはじめた。

エンジンオイルにまみれその子はきっと自分の夢を叶え、お母さんを喜ばせるだろう。

お父さんを喜ばせ、褒めるだろう。

きっと自慢の息子と思うだろう。

家族の大切さを知っているその子はきっといい家族を築き・・・・将来、可愛い孫を見せてくれるに違いないと思う。


常磐線の電車の中・・・

6月5日 pm8:00過ぎ 野田市斎場を思い出していた。

お経が終わり、葬儀屋さんが「大くんに会いたいとお友達が外で待っているんですが?」

お通夜に来ていただいたお友達も帰れずにいた。

一人で、大偉に会いに来てくれた子。

友達と待ち合わせて来てくれた子。


それにしても、自宅に来てくれた子にしか斎場の事は伝えていなかったのに・・・、携帯の威力というのは凄いな。子供達だけで300人以上来てくれた。


棺の中で眠っているように横になっている大偉に会って帰って行く。

来ていただいたお友達全員の顔はわからないし覚えていないが小学生の頃から知っている子や、自宅に来ていただいた子はわかる。

その中でも、

大偉に会って一度部屋を出たが、手紙を渡したいと家内に連れられて戻ってきたセラー服を着ていた女の子。

大偉に会う前にしっかりと私の目を見て深々と頭を下げた茶系のチェック?スカートの女の子。

男の子二人で大偉に会いに来て、一人の男の子が会った瞬間、人目も気にせず声を出して泣いていた子。連れの子に肩を抱かれ大偉の遺影を振り返りながらその場を離れたくなさそうに部屋を出ていった姿。

本当に、辛いな。

大偉は、来てくれたお友達をどう見ていたのかな?

みんなが家に着いたのを確認したかのように涙雨が降った・・・。

大偉の最後の優しさだった。

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