平成二十三年
妙法 清澄院日大信士位
六月二日
俗名 田中大偉
享年十六歳
夕方、大偉が任意保険に加入していた担当者から携帯に電話がかかってきた。
保険会社の事故調査係りが色々と今回の事故に件について、警察に聞いている。
私も、検察または警察から伺っている情報の提供や、事故報告書に記載する書類には、そのまま記入した。
保険会社の担当者からも、「お父様から以前伺った内容の情報で間違いありません。」
警察も今回の事故は非常に難しい事故です。と言っているみたい。
確かに、いつくかの疑問点や検疑不十分で道路交通法違反の起訴しかできなかった。
ヘルメットの頭頂部についている、あの黒い大きな後な何?
後ろタイヤがすっていった後ではないの?
鑑識からは、断定はできなかった。
断定はできないが、たぶんこうなったでしょう。
これで間違いはないでしょう。・・・・という判断だけで。
松戸裁判所からの略式命令からだいぶ日が経った。
もうそろそろ・・・解剖の結果報告もあがってきていると思う(当初は7月くらいと聞いていたから)
調書閲覧も松戸検察庁にお願いしたいし、解剖結果も確認したい。
色々、顔を覆ってしまいたくなる写真もでてくる。
一部、解剖写真を警察調書の中で見た事があるが、本当に・・・言葉が出てこない。
まだ、遺留品も戻ってきてはいないので、明日松戸検察庁に確認する。
その後、加害者側の自賠責保険会社へ被害者請求を行うため電話した。
時間外だったので、明日また電話をする事になった。
それにしても・・・・
相手方の保険会社からは電話一本ない。
というより、加害者は今回の事故について何も報告していないのだ。
小さな事故、大きな事故・・・事故の形はいろいろあるが、保険会社に事故の報告をするのは当たり前の事ではないのだろうか?
人として・・・どうなの?
私の考えが間違っているのか?と思えるくらい・・・。
事故の一部始終の真相は、今となっては、
大偉だけが
知っている。
真相がわからない事件なんてたくさんあると思う・・・
亡くなった大偉は、もう帰ってはこない。
声もない。笑った顔もない。喧嘩もできない・・・
何もかもできない。
この先の人生も・・・
ない。
16歳で終わってしまった。
本当に辛い・・・・。
土日は、大事なお客様が来るので、部屋を片付けなければ・・・。
大偉に笑われてしまう・・・。
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