平成二十三年
妙法 清澄院日大信士位
六月二日
俗名 田中大偉
享年十六歳
電車待ちでホームに立っているだけで汗がじわじわと流れ出てくる。
連日の甲子園。
朝から晩まで野球をしていた頃を思い出す。
今年は、何故か気合いの入れ方が違う。
10年振りに出場した習志野だからかな?
会社でも、帝京高校や、地元大阪を応援している社員がいて仕事そっちのけ?で話題になっている。
甲子園に見に行きたいなぁ~。
家内には、習志野が甲子園に出たら見に行くからと言っており、一応了解を得ているが・・・今日も念のため言ってみた。
ちょっと反応が変・・・?
大偉の送り火があるから18日の試合かな? 16日に行くのはね・・・。
だとしたら、準決勝が18日、ついでに19日の決勝も見たいなぁ~!
良い?
反応は変だが、「うん」と言った気がする。
扇風機の音であまり聞こえなかった。
体調も良くないせいか、声もいつもより小さめだったからね。
本当は習志野高校の応援に行きたいんだけど、たまたま、迎え火の日が2回戦。
勝てば、送り火の日が3回戦となる。
大偉が行かないで!って言っているのかな?
今年は、どうしても行きたい。
7:33分初の電車に乗るため梅郷駅にいた。
毎朝、一番に家を出る人に合わせ全員が起きてくる掟なのに、何回もリビングからブザーを鳴らしても娘は起きてこなかった。
電車の時間があったので、声をかけずに家を出た。
ものすごく嫌だった。
大偉の時と同じ繰り返しはしたくはない。
外から娘にメールを入れた。
6月2日の朝の事。
布団にくるまっていたから何も言わずに家をでた。体はもちろん、その日の朝、顔も見ていない。
雨が、降っていたんだけど・・・
夕方、何も言わない、動かないお兄ちゃんと搬送先の病院で会う事になった事。
事故なんて突然起きる事。
お兄ちゃんに声をかけずに会社に向かい後悔している事。
こんな思いは二度としたくはない事。
必ず、声をかけてから家を出ようと決めた事。
だから、面倒でも「起きて!」と伝えた。
昨日は自分の部屋で寝た娘は、今日はリビングで私がブログを書いている横で寝ている。
すぐに起きれるからだろう。
私からのメールを読んで、自分なりに考えたのかな?
このメールを打ちながら、電車の中で当日の大偉の事を思い出し結局浜松町駅まで泣いていた。
ハンカチで目を押さえながら・・・。
あの時なんで起こしてまで、声をかけなかったのだろう?
「大偉。雨が降ってるから、バイク気をつけるんだよ」と・・・
本当に、後悔している。
まだ、一緒にいれたのに・・・
リビングで一緒に横になって眠って入れたのに。
ごめんね、大偉。
・・・。
本当に、ごめんね。悲しませちゃって。
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