平成二十三年
妙法 清澄院日大信士位
六月二日
俗名 田中大偉
享年十六歳
今日、私の横のS木さんが定年退職を迎えた。
本当は、8月31日付けなのだが、残りの3日間を有給休暇で消化するので、夕方に全体夕礼があった。
高校を卒業して・・・
41年と5ヶ月。
気の遠くなるような長さだ。
私はというと・・・
後、ちょうど17年。
もう入社して23年も勤務しているんだなぁ~とあらためて感じた。
ここにくるまでに、会社を辞めたいと思った事が何回もあった。その度に相談した。
何回も、何回も・・・。
結婚して、子供が生まれてからもだ。
だけど、ここまで勤めてこれたのも周りの方々、お陰だと強く感じた。
S木さんの話で、心に響いた言葉がある。
「経済的に支えてくれた会社に感謝します」
私には、41年という長い間、勤めさせてくれた事への感謝の言葉に聞こえた。
最後の、言葉でこんな事を言った人は今までいなかった。
なぜが、心に響いた。
私は、後17年。
その時は、大偉は・・・33才。
どんな男になっているのかな?
結婚しているだろうか?
どんな家庭を築いているのかな?
子供は何人かな?
お嫁さんは、どんな人かな?
整備士の仕事をしているかな?
私は、どんな爺さんになっているのかな?
などなど・・・
色んな事を考えた。
世の中、すべて必然。
お坊さんも言っていた。
でも・・・あまりにも残酷だよ。
こんな若い子を連れて行かなければならないなんて・・・
酷すぎるよ。
結婚して、子供に恵まれれば孫と遊ぶ事もできただろう。
定年後の楽しみもいっぱいあっただろう。
大偉との楽しみ。
大偉の家族との楽しみ。
育ててあげられなくてごめんね。
見届けてやる事が出来なくてごめんね。
大偉とのすべての楽しみが・・・何もかもなくなってしまった。
明日は、必ずみるちゃんと一緒に家に来てよ。
みんなで、待っているから。
お願いだから・・・
ねっ、大偉。
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